TWDWレポート〜オンリーワンキャリアの作り方〜


「努力が報われるとは限らないが、本気は必ず返ってくる」TWDWレポート〜オンリーワンキャリアの作り方〜

TWDWレポート〜オンリーワンキャリアの作り方〜

「急成長ベンチャーを離れ1年浪人して会社立ち上げ」、「公認会計士で大手監査法人と企業再生コンサルを経てNPO法人の常務理事に」、「米系投資銀行エコノミストからベンチャー立ち上げに参画する」など、枠にはまらないキャリアを歩んできた3名が登場。彼らが自らの軌跡について語る本音トークに注目です。

【登壇者紹介】

  • 岡本 拓也氏

ソーシャルベンチャーパートナーズ東京代表/NPO法人カタリバ 常務理事

  • 森山 和彦

株式会社CRAZY 代表取締役社長

  • 山崎 大祐

株式会社マザーハウス 取締役副社長

オンリーワンキャリアを作った原動力とは?

これまでの常識をひっくり返す、型破りなキャリアを歩んできた3人。一体なぜ、オンリーワンの歩みを進めることとなったのでしょうか。その原動力となった熱い想いについて語ったセッションの模様をご紹介します。

根本にあるのは、「本当の豊かさとは何か」という問い(マザーハウス 山崎)

マザーハウス 山崎

トップバッターは、マザーハウスの副社長を務める山崎大祐さん。山崎さんは、ゴールドマンサックスのエコノミストという経歴を手放し、途上国でバッグのブランドを作るマザーハウスの立ち上げに携わった行動派。そのキャリアシフトとは?

「実を言うと、最初からバッグやモノづくりに興味があったわけではありません。ただ、家が貧しかったこともあり、途上国にはもともと惹かれていて。それで大学時代にベトナムへ。その時に大きな衝撃を受けたんです。

目にしたのは、日本の子供よりもキラキラとして夢を語る、ストリートチルドレンの姿。「本当の豊かさって何だろう」という思いが芽生えましたね。その答えを得るために、金融のど真ん中へ行こうとゴールドマンサックスの門を叩いたんです。

ただ、自分はエコノミストに向いているなと思いつつ、決して好きな仕事とは思えなかった。そんな時、たまたま大学の後輩の山口絵理子と出会い、彼女がバングラデシュで生産したバッグを一緒に売ることに。それがマザーハウスの始まりです。

今は情報が大量に流れてくる時代ですが、先進国の豊かな生活を途上国が支えるモノづくりの現状は、意外と知られていません。僕は、この上下関係を変えていきたい。それがマザーハウスで実現させたいことです」

「人生の時間を何に使うのか」を突き詰めてきただけ(SVP東京代表/岡本)

SVP東京代表/岡本

2番手は、ソーシャルベンチャーパートナーズ(以下、SVP)の東京代表でありながら、NPO法人「カタリバ」の常務理事も務める岡本拓也さん。2つの組織の経営に関わる彼が、その異色のキャリアについて語りました。

「SVPもカタリバも、実は自分が立ち上げたわけではありません。それに僕には学生時代から「これをやりたい!」と心に決めて起業したカリスマでもない。だから、オンリーワンキャリアと言われても、正直「僕じゃないでしょ…」と思ったり。尊敬する山崎さんの頼みを断れず、今ここにいるだけで(笑)

ただ、「やりたいこと」をずっと持ち続けていたことは、自分にとって大きかったと思います。それを見つけたのは、大学を1年休学して海外を放浪していた時。世界には社会貢献につながるビジネスがあると知り、衝撃を受けました。

その後は金融畑に進みつつも、本業の傍らでプロボノをやるスタイルを取ることに。当時は本業を辞める勇気もなかったし、「とにかく両方やってみよう」と思って。結局は「せっかく自分の一番いい時間を使うんだから、好きなことをやろう」と決断し、独立しましたけどね。

正直、今もキャリアや成長については考えていません。とにかく自分が突き詰めたいのは、「人生の時間を何に使うのか」。昔からこれを軸に行動してきたことで、今の自分があると思っています」

「地球が喜ぶ仕事がしたい」と思った(CRAZY 森山)

CRAZY 森山

一組ごとに完全オーダーメイドの結婚式をプロデュースする「crazy wedding」。そんな日本一クリエイティブな結婚式を手がける会社を作った森山和彦さんにも、ビジネスを始めるきっかけとなった熱い想いとは。

「僕には昔から「私は何者か」という座右の銘ならぬ、“座右の問い”があります。会社に勤めていた時代から、この問いを100万回くらい繰り返してきました。そのたびに出てくるのが、「私は世界一の経営者だ」という答え。どんなに辛い時でも、「世界一の経営者なら、今すぐこうするはず」と自らを奮い立たせてきました。

でも、ある日ふと「僕たちは一体どこに向かっているのだろう」という、新たな問いが頭の中に生まれたんです。孫の代まで借金がかさみ、破滅に向かうだけの今の経済社会の中で、自分は目の前の仕事をやるだけで本当に良いのかと…。この問いに打ちのめされ、無力感でいっぱいになりました。

数ヶ月間悩みに悩んだ結果、辿り着いたのは「地球が喜ぶ仕事がしたい」という言葉。もうこれしかないと思い、すぐに会社を辞めましたね。そして周りにお金を借りて世界を巡りながら、「こんな社会にしたい」という想いを1年かけて積み上げ、起業したんです。

今みんなが欲しいのは、家でもお金でもない。夢中になれることや、人が喜ぶこと…つまり、もっと本質的なものだと思います。それをビジネスで提供すれば、最高な世の中になる。その想いを具現化したのが、今の会社です」

3人の共通点は、「本気でやってきた」こと

3人の本気用画像

それぞれがキャリアについて語るうちに見えてきたのは、「本気」というキーワード。3人共、別に最初からオンリーワンのキャリアを築こうとしたわけではありませんでした。単純に、自分が決めた道を信じてひたすら突き進んできた結果だったのです。

「何をやりたいのかを考えすぎると、どうでもよくなってくる。でもそこでふっと降りてくるのが、本当に自分がやりたいこと。その時に決断したら、もうあとは本気でやるしかない」(岡本)

「片足を突っ込んで働くだけでは、力も何もつかないまま。オススメは、まず自分が楽しむために、本気で両足をぶち込んで仕事に没頭すること」(森山)

「最初は事業モデルもクソもない。とにかく作って売るだけ。でもそれぞれのところで真剣にやるって本当に重要だと思う。本気でやったことは絶対に嘘をつかないから」(山崎)

(執筆&編集)サムライト