生活を豊かにするのはお金、人生を豊かにするのは挑戦。スペースマーケットCEO重松大輔の生き方(後編)


スペースマーケットCEO重松大輔の生き方(後編)

スペースマーケットCEO重松大輔の生き方(後編)

NTT東日本から創業間もないフォトクリエイトに転職し、上場を牽引。そして今、40間近にしてスタートアップ創業者に。なぜ重松大輔は挑むことをやめないのか?そこには彼のビジネスパーソンとして、いや、人間としての揺るぎない哲学があった。

“大企業は新卒の時しか入れない“、は妄想。

– ちょっとプライベートな話になるかもしれませんが、フォトクリエイトさんから起業する段階で、背中を押してくれたのは?

重松:まぁ、奥さん(サイバーエージェントベンチャーズのベンチャーキャピタリスト)ですね。「起業したいんなら、そろそろ、いい加減やりなさいよ」みたいに言われまして(笑)。

年齢も40歳が近くなってきましたし(起業当時、37歳)、子どももまだ小さく、それに3人目も生まれたばかりなのでラストチャンスかなと思って。やっぱり年取っちゃうと、チャレンジが難しくなるというのは事実で。

– 盟友である吉田浩一郎さんしかり、30歳を過ぎて起業される方が増えてきましたね!

重松:彼も元はドリコムの役員でしたね。ベンチャーでそれなりのポジションにいて、その後自分でやるといった流れは、今のトレンドになりつつありますね。とりあえず、「起業してみたいな」と思っている人であれば、ベンチャーないしスタートアップを一度経由するのがいいんじゃないでしょうか?

人気企業や大手の場合、よっぽどチャレンジングな仕事があれば良いんですけど、そんなに現実は甘くありません。伸びている会社や、可能性を秘めた会社に社員番号1桁で入れると、実はすごく良いキャリアが築けると思うんですよね。

大企業は新卒の時しか入れないみたいなことを言われてますけど、今の時代、いつでも行けると思います。若いうちはチャレンジして、その後どうしても入りたいのであれば、大企業を目指せばいいんじゃないでしょうか?国際競争も激化していますから、大企業もあぐらをかいていられなくなりましたし、チャレンジングな若者を求めていると聞きますね。

お金と面白さを天秤にかけた時、いつも選ぶのは後者。

重松後編2

 前編までの話とけっこう変わるんですけど、ズバリ、重松さんにとって転職とは何ですか?

重松:純粋な転職は1回しかしたことがないですけど、そんな自分が語っちゃっていいんですか(笑)?

– でもその転職が、重松さんの人生を大きく変えたじゃないですか?

重松:かなり変わりましたね。新卒で入社したNTT東日本の同期や後輩と会うと、「ほんとに重松さんってNTTにいたんですか?」って言われます。それぐらい、考え方はもちろん性格も変わったのかなと。

みんなと全然価値観が違いすぎるから。大手企業であると、目指すべきはポジション。昔の僕も確かにそうだったんですけどね。いくつまでに係長になって、いくつまでに課長になって、という感じで。創業当時のフォトクリエイトに入社してから本当に変わりましたね。

– ただ、大手にいれば今は結構な給与をもらっていたと思いますが・・・正直な話、後悔したことはないんですか?

重松:後悔はないですね。あんまり贅沢らしい贅沢には興味ないので。基本的にお金を使うのは、飲み食いのところくらい。車も安い車ですし、極力無駄なお金は使いません。服も今はほとんど、メルカリですし。僕、メルカリのヘビーユーザーですね。

– (笑)

重松:だって半額以下で買えるじゃないですか!全然これいいじゃんみたいな。そういえば今日の服も全部メルカリです。なんか、僕メルカリの回し者みたいになってますね(笑)

どれだけいい給料をもらっても、「絶対、これ間違ってる」と誰もが思うような指示を、上司の命令だからと言ってやるようなことは苦しくて仕方ないです。

自分の意思で動いて、その結果が自分にダイレクトに返ってくる。駄目だろうが成功しようが、すべて自分の糧になる。お金よりも大切なことって、こういう事なんじゃないでしょうか?

コンフォートゾーンにいたら、人は絶対に成長できない。

重松後編3

重松:良い転職、悪い転職いろいろあるけど、やっぱり前向きな転職は良いんじゃないですか?ちゃんと関係性も残しながら、皆にも応援されて、ステップを上がっていくようなポジティブな転職はすごく良いと思いますよ。

でもまぁ、言えることは、コンフォートゾーン(安全地帯、穏やかな場所)にいたら、絶対成長できないということ。やっぱり、常にチャレンジしている感じじゃないと、人は絶対に成長できないと思います。

– 落ち着いて働ける場所、コンフォートゾーンを望んで仕事を選ぶのが一般的な転職だと思います。

重松:誰かに守られている、何かあったら会社が守ってくれる、そんな時代はもう終わってきていると思います。より、個が求められる時代ですから。

もちろん、自分らしく働くというのは大事ですけど、やっぱり何かしらの刺激や負荷がないと仕事は面白くないと思います。

自分がフォトクリエイトを辞めたのも、もう「重松大輔」としてのポジションが確立されていたから。あのまま残っていても、それはそれでとても楽しかったと思います、とても良い会社ですし。最近は仕組み化が進み、安定して成長しています。

ただ、その「安定」を自分が許さなかったんでしょうね。どんどんチャレンジして、不安定な方へ不安定な方へと行くことを好む・・・根っからのベンチャー野郎ですね、僕は(笑)。

「自分のために働く」では、人生、面白くならない。

スペースマーケット後編4

– では最後に。これからのスペースマーケットについてお聞かせいただければと。まず、どんな基準で採用を行っていますか?

重松:スタートアップなので各業種、スキルは必要になりますけど、やっぱり面白い人がいいですよね。あとは、何かしらのパッションとかこだわりをもっていて、世の中を少しでも変えていきたいという志を持つ人もいいですね。

つまり、すごく気持ちよいハートを持った人材と言えるかもしれません。自分が儲かるとか、自分が幸せになるとか、周りや上司に承認されたいみたいな欲求が強い人ではなくて、世の中を本当の意味でよくしていきたいっていうモチベーションがある・・・どこも欲しい人材か(笑)

– 逆に、ベンチャーを選ぶ時に気をつけておくべきポイントとかあるんですかね?

重松:やっぱり経営者とか、メンバーを見たほうがいいですね。ベンチャーにも色んなタイプがあって、ほんとにワンマンな会社もあれば、社長がどこか抜けてても、メンバーは優秀みたいな会社もあります。ウチもどちらかというと後者ですね。

(笑)。それでは最後に、これからのスペースマーケットの目指す未来について教えてください。

重松:それこそ今、全国的な問題になっている空き家問題をなんとかしたいですね。

年間でいうと、800万戸くらい空いています。それもこれもスペースの活用の仕方をみんな知らないだけ。たとえば京都。空襲で焼けなかったので、歴史的建造物がたくさんあって、それを活用したイベントも開催されています。

逆に東京は、空襲や地震の影響で歴史的建造物が割と少なく、古いものを大事に使うマインドがあまりないと思います。でもこれからは間違いなく、「新しいものが良い」という時代から、「古いものを長く使う」という時代になってきています。

新しいモノには新しいモノなりの価値がありますが、同じように古いモノには古いモノなりの価値があります。そんな価値があるのにスポットライトが当たっていないような数多ある空きスペースを“面白く”流通させていくこと。これが僕たちのミッションであり使命です。だから、これからもドライヴをかけて頑張っていきますよ!

– 貴重な時間をいただき、かつパッションみなぎるお話、本当に有り難うございました!

(執筆・編集  サムライト)