女子大生起業家は、なぜスクーを選んだのか?人と違う道にこそ情熱を感じる、田中伶の生き方に迫る


女子大生起業家は、なぜスクーを選んだのか?人と違う道にこそ情熱を感じる、田中伶の生き方に迫る

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今回のインタビューは、オンラインスクールを運営する株式会社スクーの田中伶さん。入社後は広報として手腕を発揮し、現在は会社のグロースハッカー的存在である事業推進の担当として活躍中。そんな彼女は大学在学中に、経営学から学んだヒントを活かして大学生向けのキャリア支援を行い、後に独立したという非常にアクティブな女性だ。

「女子大生の起業家」という異色のコースを歩んできた彼女が、なぜスクーに入ったのか。今回は、そのキャリアの軌跡を伺ってきた。

就活に苦労する友人を見て、起業を考え始めた大学生時代

-普通の大学生なら、「就活⇒就職」という流れになりますよね。そんな中、なぜ田中さんは在学中から起業という選択肢をとられたのでしょうか。またなぜ、キャリア支援を?

田中:起業を志したのは、私が大学3年生の頃です。私は中国語学部だったんですけど、語学留学で台湾から帰国した頃にちょうど友人たちが就活を始めていて。そこで目の当たりにしたのは、想像以上の厳しい現実でした。

当時は、語学堪能で憧れだった友人ですら、「自分は何をやりたいのか」という軸を持たずに、「とりあえずこれができます」って感じで就活をしていました。でもそれだと、同じことができる人なんて世の中にたくさんいるじゃないですか。だから結局、次々と選考に落ちていって。その現実に、すごくショックを受けたんです。

それがキッカケで、「じゃあ自分は何がやりたいだろう」と考えるようになりました。で、起業に興味を持ち始めたんですよね。そんな時、たまたま経営学の面白い先生をTVで見かけて。思い切って、「1回話を聞かせてください」と連絡したら、会ってもらえることに。まあ当時の私は、「中国語できます!」「社交的です!」なんて、ドヤ顔で説明してたんですけど。

-(笑)…でも、学生ってそんなもんですよね。

田中:そう、いかにも意識高い学生、みたいな(笑) でもその先生に、「君が中国語を勉強して、誰が幸せになるの?」「それって世の中にどんな価値を提供しているの?」みたいなことを聞かれて、全く答えられず…。「自分はそんなことも考えずにずっと勉強していたのか」と思うと、すごく悔しかったですね。

それで、先生の元で経営学を一から学んだんですけど、そのうちに「企業がミッションを叶えるための考え方って、個人の生き方でも一緒だな」と思い始めて。自分のビジョンをどう作って、その実現に向けて自分の経験・人脈・お金・情報をどう投下して道筋を描いていけばいいのか、みたいなことを考えるようになったんです。

そこから独学でも経営学やキャリアデザインの考え方を勉強しました。その時に始めたのが、学んだ内容を毎朝8時にブログで発信すること。結局これを5年ぐらい続けたんですけど、1年くらい経つと、見てくださる方も少しずつ増えてきて。

そうして夢中で活動しているうちに、「これを仕事にできないかな」と思い始めました。でも、「普通にやっても誰も来てくれないだろうし、面白くないよな」ってことで、もう“起業した女子大生”って言っちゃおうって。

-なるほど。つまり、先に「自分」というブランドを作ってしまったわけですね!

田中:はい、もう完全に手段でしたね(笑) 周りは就活の真っ最中でしたが、とにかく流されないようにというか、半分意地でやっていました。そのうちに、大学生に向けて、経営学を使ったキャリアの考え方やビジネスをゼミ形式で教える「ビジネス・インカレゼミ」というスクールをやることになって。

「人がやらない道を選ぶ」ことが、自分の原点だった

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-「人がやらない道」って響きはカッコイイですけど、実際に進むのは大変ですよね。正直、就活している同期に流されそうになったりしませんでしたか?

田中:めちゃめちゃなりましたよ!SNSでみんなの卒業旅行の投稿とかを見て、「うっ」と思ったり。当時のビジネスパートナーだった友人2人も、「先が見えない」と言って辞めちゃったんですけど、その1人が大手企業に就職が決まったときもすごく悔しかったです。

だけど、もともと自分の中には「人がやらない道を選ぶ」みたいな大きな軸があって。自分以外の人にもできることには、急に興味がなくなっちゃったり(笑)

-特に若いうちって、その他大勢に埋もれるのがイヤで、「自分しかできない仕事をしたい!」なんて思ったりしますよね。

田中:そうなんです。でも結局、そんな仕事が世の中に転がっているはずなくて。自分が仕事に対して一生懸命取り組むことで、「あなたにしか頼めない」と言わせて初めて、それが「自分にしかできない仕事」になるんだと思います。

「なぜを5回繰り返す」ことで見えてきた、本当の自分。

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私の場合、何なら幼稚園の頃までさかのぼって「自分ってどんな人間だっけ」と掘り下げたら、「人がやらないことをやる自分にワクワクする」という原点がありました。だから「みんなが就活するなら、私は起業しよう」となったんでしょうね(笑)

ちなみに大学で中国語を専攻したのも、「英語はみんな喋れるから、私は中国語をやろう」と思ったから。当時はあまり意識していなかったけど、後になって人生を振り返ると、そうやって自分なりに取捨選択をしてきたことが分かります。

-ご自身の中に、元々そういう思想があったんでしょうね。

田中:でもそれに気づいたのは、経営学の勉強を始めてからでした。キッカケは、トヨタ経営のかんばん方式について学んだ際に、「なぜを5回繰り返す」という手法を知ったこと。「同じやり方で、自分自身も掘り下げてみよう」と思ったんです。

なぜ自分は中国語を勉強しているのか。なぜこういう仕事に興味があるのか…。そんなことを悶々と繰り返すうちに、本当に5回目くらいにやっと見つけて、「これだ!」と。

それからは、人生の中でAかBのどちらを選ぼうかと迷った時も、「みんながやらない方を選ぶ」という軸で選べば自分でもしっくりくるし、後からウジウジ悩まないと分かったんです。

“起業した女子大生”が、なぜスクーに入社したのか?

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-そんなこんなで今、転職してスクーにいますよね。「なんで?」と思われる読者の方もいらっしゃると思いますので、そこまでの簡単なストーリーを教えていただけますか?

田中:もともと代表の森は、経営者の先輩としてよく飲みに連れて行ってもらう仲だったんですよね(笑) スクーの立ち上げ時に、ちょうど森が「スクーに先生として出てくれないか」という営業に来てくれまして。当時、大学生のキャリア支援をしていた私も「もっと自分から発信したい」と思っていたので、仕事の一環として引き受けました。

で、やってみたらそれがすごく楽しくて!自分が今まで1対1のオフラインでやってきたこととはまた別の魅力があり、オンラインの力を強く感じました。

その後は結局自分で会社をやったんですが、パートナーと方向性の違いなどもあったりして、サービスを一旦クローズすることになって…。そのタイミングで森に会って、自分がやりたいことを話したら、「それってスクーがやってるじゃん」と言われまして。

ちょうどスクーもシリーズAの資金調達から数ヶ月、メンバーが一気に増えるところでした。そんな中、泥臭く純粋な思いをビジネスに変えていく様子を一番近くで見たいというのもあって。それで私も「修行させてください」という感じでスクーに入社したんです。

(つづく)