敏腕マーケッター、加勇田雄介流、市場価値の高め方


敏腕マーケッター、加勇田雄介流、市場価値の高め方

敏腕マーケッター、加勇田雄介流、市場価値の高め方

この記事は、企画・マーケティングを志す人間は必読のバイブルだ!

今回、話をうかがったのは、ベンチャー企業2社を経て、一部上場企業に転職を果たした加勇田雄介氏。最近、大手⇒ベンチャーという事例は増えているが、ベンチャーから大手にいくという事例は極めて希有と言っても過言ではないだろう?

そんな、シンデレラストーリーのような人生を歩んでいる彼だが、ゴールはまだまだ遠いところに設定している。ストイックでハングリーな彼のゴールとは何なのか?なぜ、一般的にベンチャーと比べてスピード感が遅いと言われる大手を選んだのか?

今回は、そんな彼から、市場価値を高める方法について聞き出してみたいと思う。

雑誌は最低5冊購入。うち3冊は、興味外のモノを買う。

後編2

後藤:なんとなくって言葉を使わないっていうのは、企画に関わる人にとってはマストですね。

加勇田:それをメモしておくことも重要です。結局、メモのストック量=引き出しの量と言っても過言じゃないんですかね。人間、全てを記憶できるワケじゃないんでね。

後藤:ちなみに加勇田さんはどういう形式で残されてますか?

加勇田:自分はGoogleドライブに【インサイト】ってフォルダがあって、そこに残しています。必要な時にぱっと出てこないといけないので、インサイトのフォルダは定期的に開くようにしていて、それこそ通勤時間でもいいんですよ。そういうのをすぐ思い出せるように常に眺めています。

後藤:ちょっと話が変わりますが、たとえば雑誌からもインプットを行ってますか?最近、雑誌を読む人、めちゃめちゃ減ってるじゃないですか?

加勇田:はい。毎月最低5冊雑誌を買うようにしています。5冊の買い方としては、本屋の雑誌コーナーを全て回って、まず2,3冊、「これ面白そう!」と思ったやつを買うようにしていて。

残りはいつもの自分だったら、絶対に手にとらないような雑誌を買うんです。好きな雑誌は誰だって買いますけど、それだと自分の興味外の世界でどんなことが展開されているのかわからない、いわば偏った人間になってしまうと思うので。

後藤:最近、面白かった雑誌ってあります?

加勇田:ケトルのテレ東特集ですね。テレ東の番組って、エッジが利いてて面白いですよね?テレ東の企画の作り方って、彼らが意識しているかどうかはわからないですけど、「削る」っていうのがすごく意識されているなーと思っていて。

テレ東は他の在京キー局に比べたらかなり予算少ないんですよ。予算が少ないからできること自体がそもそも限られる。だから自然と削るってことを意識せざるをえないんですよ。考えた時に削ってこれが出てくるのかみたいな。

だから素人の活用が上手いのかな?たとえば「Youは何しに日本へ?」とか、タレントさんほとんど出てこないんですからね。

後藤:海外のCMを創るやり方と似ているなって思っていますね。本当に企画で勝負すること。日本のCMってタレントっていう、面だけで勝負しちゃっているモノが多いと思います。海外のCMってタレント使わず、企画で勝負する。すごいシンプルだなって思いますね。

あ、ちょっと待ってください・・・インタビュー中に申し訳ないんですが今、Amazonで買いました!

加勇田:(笑)

“大手企業”の当たり前を壊したくて、デサントを選んだ。

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後藤:ちなみに聞いたことなかったんですけど、なんでデサントさんを転職先に選ばれたのでしょう?アライドアーキテクツ、トライバルメディアハウスからのスポーツメーカーは意外すぎる選択かと。

加勇田:トライバルの時も大手と結構、付き合いがあったんですよ。前職のいいところって、大手に対してQの部分が間違っているって時に提言するってスタイルだったんですね。ただ、ほとんどの場合がガチガチにQ、いわゆる前提の部分を固められていて。

ある程度マーケティングに詳しい人にインタビューしていったら、Qに対するAって表現は違うものの、だいたいみんな私と同じようなことを言うと思うんですよ。「Qが間違っていたら、Aも当然違う。だからQをいかに見つめるか」ってことです。

後藤:そもそも目的は何で、何故、雑誌に出稿する必要性があるんでしょうか?そこですよね。

加勇田:そうそう。同じ雑誌でも広告タイアップもあれば、PRっていう施策もあるわけで。それでもかたくなに、「広告うてばいい!」みたいな。

だから、自分が大手に入って、Qの部分を再定義していきたいなと。あと、自分の経歴的にWebとかソーシャルとかデジタルな領域ばかりで、たとえばイベントとか店頭とか、リアルにでも活かせると思うんですよ。私の武器って、一言で言うと削る能力なんで。

後藤:削る能力・・・つまり編集力ですか。

加勇田:はい。編集者って職種を定義しちゃうと、編集しか出来ないみたいに見えます。だから僕は職種を名乗りません。削る能力、つまり編集って能力を活かしてPRだったりタイアップだったり、タワーレコードやヨドバシカメラでの店舗展開だったり。職種という考えを再定義し、自分の武器を最大限活かせるような環境がここだったのかなと思います。

会社名という看板を外された時、果たしてあなたは価値ある人材か?

後編4

後藤:かなり濃いインタビューになったので、僕も疲れました(笑)。最後の質問にさせていただくんですが、市場価値の高め方についてです。

加勇田:会社の看板が外れた時の、いわば丸裸の時の自分を想像することだと思います。まぁでも、大手の人って看板がなくなった時の素の自分が怖いんだと思いますね。

後藤:わかります。「なんの仕事しているんですか?」と聞くと、会社名で答える人が多くて。日本ってブランドって固執する人が多いと思いますね。

加勇田:自分が仕事聞かれたら、絶対、会社名で答えないですね。燃え尽きランナーとかPCスーツっていう施策をやっていますとか、そんな回答です。とにかく社内のマーケティングの在り方を変えるために必要なことは全部するみたいな勢いです。

メディアって企業のこと、商品のことについてはなかなか語りづらいんですが、現象は語りやすいんですよね。ウチの商品開発がメディアに売り込むよりも、燃え尽きランナーというストーリーをつくった人間が提案した方が、メディア側も理解できるじゃないですか。

じゃあ、出来ることは全部、自分がやればいいじゃんと。広報的なこともしますし、営業だってする。具体的な事例としては、タワーレコードやヨドバシカメラへの提案ですかね?

いくらメディアを上手く巻き込んで「PCスーツ」という言葉自体を流通させても、結局、生活者って具体的な答えを求めるじゃないですか。その答えってやっぱり売場だったり、そういうところにあると思うんですよ。だから、売り場への提案も自分がやった方が相手に対しても説得力があります(笑)。

後藤:波を起こして、具体的にそれをムーブメントにまで育てていく。一気通貫ってワケですね。

加勇田:そうですね。小売りがそうやって動き出せば、市場が動いたってことで、日経さんとかが取材に来始めるんですよ。だから自分に適切な職種名ってつけられないのかなと思います。必要だと思ったことを全部自分でやっちゃうみたいな。

後藤:本当に職種がない人って優秀です。職種の壁で自分を囲う人って駄目ですよね。「自分の仕事はここまで」と自然と線引きしてしまって、自分の可能性を狭めている。

加勇田:決められた仕事をグルグルと高速回転させる優秀さも当然、組織には必要です。ただ、「上に言われた通りPDCAを回すことが、果たして組織の何かしらの利益になるのか?」って考える人間もいないとダメです。

特に大手の若手社員は、回すことを仕事だと思っている節があります。世の中の仕組みが劇的に変わっているのに、そこには盲目的になっていて、ひたすら回すみたいな。

話が最初に戻っちゃいますけど、学生の優秀さと社会人の優秀さの違いって、ここにあるんじゃないでしょうか?

後藤:いやぁ、面白かった!でも疲れました(笑)ありがとうございました!