今日から実践できる!仕事へのモチベ−ションを上げさせる3つの方法【TED ダン・アリエリー】


仕事へのモチベ−ションを上げさせる3つの方法

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アメリカの行動経済学者、ダン・アリエリーはある日、レゴを使って「仕事のやりがい」を調査する実験を行いました。   それは、2つのグループの人々にレゴを組み立ててもらい、報酬を支払うというとてもシンプルなものでした。ただし条件が2つあり、それは

  • 報酬は、組み立てる数が増えるほど減っていく。(1個目は報酬で3ドルもらえていたが、2個目は2.7ドル、3個目は2.4ドル・・・のように)
  • 片方のグループは、レゴを試験官に渡すと「作ったレゴはとっておく」と言い、下にしまわれるが、もう片方のグループは、作ったレゴをすぐに試験官にバラバラにされる。

というものでした。

その実験の結果、「作ったレゴはとっておく」と言われていたグループの人たちのほうが、すぐにバラされるグループの人達よりも多くのレゴを作りました。どちらのグループも同じ割合で報酬を減らされていったのにも関わらず、です。

このことからダンは、人は自分の仕事の意義を感じることで、モチベーションが上がることを発見しました。   つまり、単に「これやっておいて。」と仕事を任せるより、「この仕事は、一見単純作業に見えるけれど、先々にこういう部分で役立つ仕事だから、頼むぞ。」のように、相手に意義を感じさせるように伝えた方が相手のモチベーションを刺激できるのです。    

今回は、TEDでダン・アリエリーが行ったプレゼンテーションからいくつかの実験結果を紹介し、どのような時に人の働くモチベーションが上がるかを解説したいと思います。

実際の動画はこちらです。

文字探しの実験 – 見てもらえていること −

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この実験でダンは、人は「少しでも、相手に見られている・評価されている感覚を得ること」で動機づけられることを発見しました。

実験内容

  • ランダムなアルファベットが記載された紙から、ある特定の文字を探すように頼む
  • 1枚終わると報酬が得られる
  • 数をこなすごとに、報酬は減っていく。(1回目3ドル、2回目2.7ドル・・・のように)
  •  試験官の対応を3パターン設定して、どこまで被験者がこの作業を続けるか比較する

パターン① : 紙に目を通し、「なるほど」と言って、紙を山積みにしていく(評価される条件)

パターン② : 何も反応せずに紙を受け取り、机に置いていく(無視をする条件)

パターン③ : 紙を受け取ると、そのままシュレッダーにかける(シュレッダー条件)

結果

評価される条件のほうが、シュレッダー条件よりも圧倒的に被験者は多くの作業をした。

無視をする条件と、シュレッダー条件ではほぼ同じ作業量だった。

ポイント

この実験から、

  • 少し相手に反応してもらうだけでも、人のモチベーションは上がること
  • 無視することは、目の前でシュレッダーにかけることと同じであること

がわかります。相手がした仕事やアクションに対して反応することで、「私はあなたの仕事ぶりをしっかり見ていますよ。」とアピールしたり、「最近頑張ってるね」などと、声をかけてあげると、相手を上手く動機づけすることが出来るでしょう。

紙ヒコーキの実験 – 手間を掛けること −

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この実験からダンは「人は手間をかけた仕事であるほど、それに愛着を持つこと」を発見しました。

実験内容

  • 被験者に紙ヒコーキを作らせる
  • 被験者を2パターンに分けて、作ったヒコーキに対する愛着度を調べる

パターン① : 非常にわかりやすい説明書を渡し、ヒコーキを作成してもらう(簡単な作成)

パターン② : わかりづらい説明書を渡し、ヒコーキを作成してもらう(時間・労力のかかる作成)

結果

綺麗には折れていなくても、パターン②の人たちのほうが自分のヒコーキへの愛着が大きかった。

ポイント

この実験から、手間をかけるほど、自分のやったことに対する愛着が深まることがわかります。 ダンはこの実験以外にも、アメリカでケーキの素が売りだされた話もしています。ケーキの素のメーカーは、あえて作業工程を増やすような商品を売り出すことで、人の「自分が仕事をした感覚」を刺激し、売上向上に繋げたというエピソードです。

まとめ

これらの実験からダンは、人のモチベーションは

1. 仕事に意義を感じること

2. 見てもらえる/評価されること

3. 手間をかける仕事であること

の3つで上昇すると示しました。

最後にダンは、アダム・スミスカール・マルクスの2人の労働に関する正反対の理論を取り上げます。 アダム・スミスは、仕事のやりがいや愛着は無視し、効率を上げることが重要だと主張し、マルクスは仕事への愛着が大切だと主張します。

ダンは言います。 ものを作る効率が何よりも大切だった工業化の時代では、アダム・スミスが正しかったかもしれない。しかし、知的労働が増え、お金が全てという価値観も変わりつつある現在では、マルクスの言う「仕事へのやりがい」が大切だと。

人の素晴らしいところは、様々なことで動機づけられる点です。 ダンの実験で得られたポイントを意識し、モチベーションが高い状態で仕事に臨むことで、皆さんの周りの方の、そして皆さん自身の仕事が充実し、やりがいのあるものになることを願っています。