ハーバード大学卒業式で、J.K.ローリングが伝えた2つのこと


ハーバード大学卒業式で、J.K.ローリングが伝えた2つのこと

060508_COM_JC_425.jpg

出典 http://news.harvard.edu/

以前の記事で、DropboxのCEOである、ドリュー・ヒューストン氏がMIT(マサチューセッツ工科大学)の卒業式で行ったスピーチをご紹介しました。この他にも、卒業式における名スピーチは数多く存在します。

今回は、ハリーポッターの作者である、J.K.ローリング氏が2008年のハーバード大学の卒業式で話したスピーチの内容をご紹介します。彼女は、ハーバードの卒業生に、「失敗がもたらす利益」と「想像力の大切さ」という2つのテーマで話をしました。

失敗がもたらす利益

failure-215563_640

彼女はまず、「失敗のもたらす利益」について話します。大学を卒業してからの7年間、大きな失敗と言える時代を過ごしたことを振り返り、その失敗が彼女に何をもたらしたのかを語ります。

大学卒業後、7年間の失敗

ローリング氏は、自身の大学卒業後の7年間を手ひどい失敗の期間と言います。結婚はすぐに破局し、片親で娘を育てなければならないのにも関わらず、仕事は無く、ホームレス一歩手前の極貧生活を送っていたそうです。

彼女は、この失敗の期間を「楽しい」などというつもりは全くなく、貧乏にはストレスと恐怖が伴い、屈辱の困難の連続あり、決して美化されるものではないと言います。しかし、彼女はこの貧乏で、一般的に言うところの「失敗」していた期間が、彼女に一つの利益をもたらしてくれたと話します。

失敗は、本当の自分を教えてくれる

ローリング氏は、失敗は不必要な部分を剥ぎ取ってくれると言います。失敗していた頃、彼女は自分を偽るのをやめ、持てる全てのエネルギーを彼女にとって大切な唯一のこと、「小説を書くこと」に費やすことが出来たのです。仮に他のことで成功していたら、自分が本当にやりたかったことにおいて成功したいという決心がつかなかったと言います。失敗によって、彼女は自由になり、本当に自分がやりたいことに気づけたのです。

彼女は、人生において、ある程度の失敗は避けられないと言います。しかし、何も失敗しないためには、死んだように及び腰になって生きるしかなく、そんな人生は元から失敗であると語ります。

失敗は、それまで気づけなかった自分自身のことを教えてくれます。人生は困難で、複雑で、誰にもコントロールすることは出来ません。それを謙虚に認め、失敗を恐れず生きていくことの大切さを彼女は一つ目のメッセージとして伝えました。

想像力の大切さ

Imagine_by_s3bbe

彼女は2番目に、想像力の大切さを語ります。ここで彼女の言う想像力とは、「存在しないものを思い描き、発明や革新を生み出す力」ではなく、「経験を分かち合ったことのない他人にも共感することが出来る力」です。

アムネスティー・インターナショナルでの体験

ローリング氏は、20代前半、アムネスティー・インターナショナル本部のアフリカ担当調査部で働くことで生計を立てていました。彼女はそこで、人が自身の権力のために、同じ人間に対して行ってきた悪魔の様な仕打ちの数々の証拠に目を通し、悪夢にうなされるようにもなったそうです。

しかし一方で、ローリング氏は人間の素晴らしさも知りました。そこでは、今まで拷問されたことも投獄されたこともない数千人の職員たちが、拷問の被害者や囚人のために活動していました。その職員たちは、先進国という安全の保証された環境で生まれ育ってきたごく普通の人達ですが、今まで見たこともなく、そして一生会うこともないであろう赤の他人を救うために大勢集まっていたのです。

人間だけが持つ、自分が経験しなかったことを学び、理解する力

この、会ったこともない人々を救うために多くの人が集まり、働くのを目にした経験は、彼女の人生において最も衝撃的で、刺激的なものだったそうです。そして彼女は、人間は他人の心を思いやり、他人の状況を想像する力を持つ点で、他の動物と異なると言います。

彼女は、ハーバード大学の卒業生に対して、人を思いやる想像力を用いて、自分の周りの人たちだけでなく、力を持たない世界中の人の心や状況を考えて欲しいと、そして、世界を変えるのに、魔法の力など必要なく、必要なのは人の持つ想像力であると伝えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

失敗がもたらす利益についての話は、失敗を乗り越えて、今のような成功を手に入れている彼女が言うからこそ、とても説得力がありますね。

動画も素敵なので、是非御覧ください。